「うちの子には発達障害の特徴があるのでは」と思い、子どもに知能検査などを受けさせたいと考えている親御さんは、昨今珍しくないかもしれません。
そして、もし検査を実施するのであれば、親御さんが「この検査は“何のために”行うのか?」をよく考えておくことがとても重要です。
例えば、
「うちの子は忘れ物がすごく多い。もしかしたら発達特性が原因かもしれない。
だから、“この子の特性に合った忘れ物対策を考えるために”、検査を受けさせたい」
といったように、親が(そして子ども自身も)「何のために検査を受けるのか?」を意識できていれば、検査は役立つ場合が多いです。
「○○の対策をするために検査を受けるのだ」といった、具体的な目的意識を持っていると、検査の結果を日常生活の中で活かしやすくなります。
例えば、
「検査の結果、この子は『細かいものを丁寧に見るのが苦手』と見受けられた」
「だからこの子は、連絡帳に細かい字で書かれた内容を、見落としやすいのかもしれない」
「だから、『持ち物を大きな字で書いた、大きめの付箋』を、家の机に貼るといい」
といったように、「検査で見えてきたこと」によって「目的の達成のために何をすればよいか?」も見えやすくなるわけです。
もし“何のために?”をよく考えずに検査を受けたら、「細かいものを丁寧に見るのが苦手」などの様々な発達特性が見出されても、親御さんもご本人も「だから何?」と思ってしまうかもしれません。つまり、目的意識がなければ、「検査の結果をその子の生活にどう繋げていくか」を見失いやすくなるわけです。
「うちの子にとにかく検査を」とやみくもに急ぐのではなく、「もし検査を実施するなら、それは“何のために”行うのか?」とじっくり考える時間を取ることが重要です。なお当センターでは、面接の中でそれを一緒に考えることも行なっております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。
※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。
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